




名称
山駆けるGIBIER
(信州鹿サラミ、信州鹿ソーセージ、信州鹿ジャーキー、信州鹿スモーク)
事業者名
eternal story株式会社(長野市)
山駆けるGIBIER(信州鹿サラミ、信州鹿ソーセージ、信州鹿ジャーキー、信州鹿スモーク)について
当社は観光再生事業を手掛けており、老朽化などで集客力が低下した施設を、地元の魅力を客観的に見ることが出来る移住者や若者の感性・視点で再生すると同時に高齢化による活力低下という地域課題の解決を目指しています。
2021年から長野市中条にある「道の駅中条」の指定管理者として地域再生モデルの構築に取り組んできました。
長野市の西部にある中条地区は、自然豊かでのどかな「里山の風景」と呼ぶにふさわしい地域で、長野市西山地区とよばれています。
雄大な北アルプスや棚田が広がる絶景、県外からも多くの登山者が訪れる虫倉山など四方を山に囲まれ、西山大豆や野沢菜・郷土料理「おぶっこ」や灰焼きおやきなど多くの魅力が特徴です。
近年、野生動物による農作物被害や森林被害は中山間地の大きな問題となっています。
これまで、捕獲された鹿のほとんど破棄されていましたが、「国産ジビエ認証」と「信州産シカ肉処理施設認証」を取得して長野市ジビエ加工センターが中条地区(道の駅に隣接)に開設されたことから、ここで処理された安心・安全な高品質なジビエ素材を用いて、当社が独自に開発したオリジナルなジビエ商品の開発を進めてきました。
ジビエとはフランス語で「狩猟で得た天然の鳥獣の食肉」のことを意味します。
ヨーロッパでは貴族の伝統料理として、古くから発展してきた食文化で、動物の尊い生命を頂く代わりに、全ての部位を余すことなく料理に使い、自然に感謝することで自然と人間との共生関係が形成されます。
安心・安全・高品質なジビエという新たな地域資源を活用することで鳥獣被害や山野の荒廃などの問題を解決して「中山間地域の
活性化につなげる」取り組みになっています。山を駆ける生命力みなぎる鹿の命をむだにせず、食肉として利活用することで鹿の適性頭数維持に繋がり、これからも鹿が「元気に山を駆ける」豊かな自然環境をつくっていきたいという想いを込めています。
売り上げの多くを占めている白馬長野有料道路を利用する観光客需要の取り込みを狙い、スタッフに多い移住者と若者を中心として、地元では魅力が見過ごされがちな商品の強化に取り組んだのがジビエです。
2023年4月に発売した商品の名称は「山駆けるGIBIER」とし、ローマ字表記を使うことで現代的なイメージとし、パッケージのラベルデザインは、西山地区の野山を駆けまわる鹿と地域で愛されている虫倉山を版画のような黒を基調とした素朴なイメージに仕上げました。
ラベルとリーフレットには切れ込みを入れて元気に駆け回る鹿を強調するとともにサインとして商品を目立たせています。移住者と若者の感性・視点で商品開発に取り組んだ成果として、素朴で親しみやすくも現代的なデザインにより観光客のみならず、地元住民にも親しまれる商品となり、地域活性化につながったと考えています。
発売以降は観光シーズンでの物販の売り上げが増加し、店舗全体でも増加しています。
この商品が「道の駅中条」のブランド化のキッカケとなり、2024年度には店舗のロゴマーク制作や併設する食事処で人気メニューの中条地区の郷土料理 “おぶっこ”を冷凍にした新商品の開発に取り組みました。
「山駆けるGIBIER」のイメージを壊さないようにロゴマーク及びパッケージは同じデザイナーに依頼しています。「山駆けるGIBIER」のデザインが【長野ADC(アートディレクターズクラブ)2023入選】、また株式会社ビー・エヌ・エヌ出版「地域の魅力から生まれるデザイン」(https://b-nn.co.jp/)という本に掲載になります。
※2025年1月下旬発売
道の駅中条のブランド化を進めるにあたり、新商品のコンセプトやパッケージにデザインの力を活かしていきたいと考えています。
分類
NAGANO GOOD DESIGN部門