

名称
柿皮パウダー・柿皮エキス
事業者名
テクノマックス喬木株式会社(佐久市)
柿皮パウダー・柿皮エキスについて
【プロフィール】
幼い頃から親しんできた干し柿は南信州の風物詩。
特に南信州の市田柿は地域を代表する特産品です。
しかし、その生産過程で発生する柿皮の処理が大きな課題となっており、廃棄処分費用が年間1,000 万円を超える企業も存在します。
この状況を目の当たりにし、地域資源の有効活用と環境負荷の軽減を目指して、喬木村商工会工業部会で『柿皮プロジェクト』を立ち上げ、起業へと踏み切りました。
持続可能な循環型経済の実現に向け、地域の未来を切り開く新たな挑戦が始まっています。
【循環型社会実現に貢献する 事業 ・製品 ・サービス】
市田柿の柿皮100%利用を目指す『柿皮プロジェクト』は、循環型社会の実現を掲げる取り組みです。廃棄されていた柿皮は、 衣 ・食 ・住の貴重な原料へと生まれ変わります。
これは市田柿ブランドの価値向上と資源の完全循環、そして地球環境保全に貢献します。
柿皮エキス、パウダーは、水と熱だけで加工される安全な素材です。柿タンニンには抗酸化作用や抗ウイルス効果、保存性があり、健康維持や予防医療への活用が期待されています。
3年前、私は愛娘を病気で亡くしました。その経験から、自然の力で健康を支えたいという思いが強くなりました。
このプロジェクトが、地域はもちろん、多くの人々の幸せに繋がることを願っています。
【志向性】
私たちのブランドは、水と熱のみで柿皮を加工する特許技術が特長で、安全性と環境負荷の低さが際立っています。
柿皮の抗酸化作用や抗ウイルス効果を最大限に活用し、地域資源を活かしています。
具体的な成果 :
飯田市のパン屋さん :柿皮パウダーを使用し、もちもち感、繊維質が豊富で新たな地域商材として注目 「自然の力を活かし、廃棄資源を新しい未来の価値へ」をコンセプトに、環境負荷を最小限に抑えつつ高付加価値な素材を提供しています。
娘を病気で失った経験から、自然由来の素材で健康を支える商品づくりに使命感を持ち、地域経済の活性化と持続可能な社会の実現を目指しています。
遠山の蒟蒻 :柿皮パウダーで蒟蒻の匂いを低減(長野県立大学の卒業論文では昆虫食の匂い低減にも採用され評価されています)
喬木村の最中種 :柿皮パウダーで切れが良くなり、上顎につきづらい食感を実現。
ぬか床 :柿皮エキスで発色が良く、一日で漬かるスピーディーさを実現(大鹿村の企業で製造)
【表現性】
地域の魅力を発信する取り組みが進められています。
喬木村の小学4年生がデザインしたマスコットキャラクター「タン忍者」は、柿タンニンの効能を象徴し、「あまぬか床」
や「柿皮パウダー」のパッケージに使用されております。
さらに、「衣 ・食 ・住」をテーマに、柿皮を活用したデザイン展開が行われています。
衣:柿皮を用いたシルク染めでは、布や糸を美しい黄金色に染色し、自然素材の温かみを生かしたエコフレンドリーなファッションアイテムの提案が進められています。
食 :柿飴や蒟蒻、ワインなどの食品が開発され、パッケージには「タン忍者」を採用。
これにより商品にストーリー性が生まれ、消費者の共感を得ています。
住:柿皮入り漆喰を開発し、高森町の「ダイコクグラ」の壁材として採用。
伝統素材を現代建築に取り入れた持続可能なデザインが実現しています。
これらの取り組みは、柿皮の「循環型資源」という価値を視覚的 ・実用的に伝えることを目的としています。
【情報伝達性】
- 地域ごとの特性を活かし、地元密着型の商品開発を推進しています。遠山では蒟蒻、下條村ではコスモスゼリー、喬木村では最中種、あまぬか床、柿飴を商品化し、地域ブランドの確立を目指しています。
- パンフレットで商品の魅力や柿皮の利点を視覚的に伝え、展示会では直接アピール。
新規顧客やパートナーとのつながりを築き、製品の可能性を広げています。 - 直売所で消費者と直接交流し、声を反映して商品を改良。顧客との信頼を深め、地域ブランドの価値向上に貢献しています。
- SNS やオンライン販売を活用し、全国的な情報発信を計画中。
新市場の開拓を目指しています。
【地域性】
【商品開発】
代々受け継がれてきた市田柿の恵みを活かし、新たな価値を創造
- 最中種 :1917年(大正6年)創業の伝統と技が織りなす新しい触感
- 柿皮ワイン :伝統と革新が織りなす風味豊かな逸品
- 柿皮入り蒟蒻 :地域の知恵で生まれ変わった郷土の味
- 柿飴 ・ゼリー :懐かしさと新しさが溶け合う地域の宝
- ぬか床 :先人の知恵と現代技術が結実した発酵食品
【地域連携】
地域の絆を深め、職人の想いが込められた共創の取り組み。
喬木村 :( 株 ) ふくやま様の最中種、大鹿村 :前澤産業様のぬか床、飯田市 :高松パン様の新商品は、まさに地域の夢が形になった証だと思います。
【ふるさと納税活用】
故郷の誇りを全国へ。
・柿飴とぬか床を通じて、南信州の食文化と人々の想いを届けています。
【地域魅力への貢献】
地域の誇りを次世代へ
- 伝統と革新の調和
- 持続可能な未来への約束
【継続発展性】
【ブランド価値の維持と向上への取り組み】
柿皮を活用し、食品(柿ワイン、蒟蒻、柿飴など)、畜産(ゲップ抑制試験)、建築(柿漆喰)分野で製品化を進めています。国際展開も視野に入れ、昨年米国では飯田高校2年生の脱炭素案が高い評価を得ました。
【将来的な計画】
国際展開 :環境意識の高い市場への進出で地域価値を発信。
【アップサイクルの価値提案】
柿皮を一例とした循環型社会の象徴と位置づけ、地域資源を活かした製品開発を通じ、次世代と地球の未来をつなぐブランドを目指します。
アップサイクル技術の深化 :食品、建材、農業資材 ( 土壌改良 ) としての新たな価値創出。
未利用資源の活用 :ミカン皮や熊の骨などの応用で製品ラインアップを拡充。
分類
しあわせ信州部門