2023しあわせ信州部門 入選「地域にいいこと、おいしいこと楽しい、かわいい新田ヤギでハイチーズ」

名称

地域にいいこと、おいしいこと楽しい、かわいい新田ヤギでハイチーズ

事業者名

Unity 0268 Shop と認可地縁団体 新田自治会(上田市)

地域にいいこと、おいしいこと楽しい、かわいい新田ヤギでハイチーズ
について

【プロフィール】

きっかけは、コロナ禍で地域住民による除草作業が出来ないという課題にぶつかったという事です。

ちょうど同時期に、地区内Unity 0268 Shopの一角に(株)パトリオットエンタープライズがチーズ工房カプレットをオープンすることになり、以前より実践していた果樹の除草にヤギを活用する事例をヒントに、地域内の除草も、人が駄目ならヤギでもいいのではないかという事から、レンタルして試験的に新田地区内、黄金沢沿いにある、学校、公園、河川、神社等をヤギで除草する事業が始まりました。

新田地域の草を食べて育ったヤギは、2歳の秋に妊娠、春に出産してお乳を出します。

このお乳でチーズを作り、新たに生まれた子ヤギは、新田の草を食べてまた大きく育ちます。地域の住民にもかわいがってもらい、愛着をもってもらえるので、作ったチーズも特別なものになります。

このサイクルを繰り返すことで、地域にいいこと、おいしいこと 楽しい、かわいいのサイクルが生み出されることになります。

【共創によるイノベーションが生み出した事業・製品・サービス】

当初は、ヤギが逃げる、ヤギ小屋を設置する場所がなかなか見つからない、においの心配、怖くないのか、といったトラブルや住民からの不安も寄せられましたが、リードや器具の調整、神社内に小屋の設置の許可、人間に対して危害を加えることはなく、逆に子供やお年寄りが集まる住民コミュニティーのツールとしての高い評価など、実際に運営してみると、いいことが8割、問題が2割、二年目以降は、徐々に問題点の改善を行い、今では、近隣住民の皆さんが自主的に協力していただけるように徐々になってきています。

こういった姿は、住民の皆さんと自治会とが行う共助、共創の関係であり、今後の自治会活動にも大いに役立つものだと思います。

【志向性】

毎年5月~10月の約半年、新田地区内黄金沢沿いにある、学校、公園、河川、神社等をやぎによる除草で行っています。

この活動によって、
①きれいな状態を保つことができるようになり、それまでの地域の課題であった不法投棄も年々少なくなって来ていること。

②自治会としても、人口減少、高齢でも地域の環境整備に対応することが出来ること、この活動を通して、住民の自治会活動への理解も年を追うごとに進んできています。

③ヤギに触れ合うことで、いわゆるアニマルセラピーとしての効果、全国的からヤギチーズファンが観光客として訪れ、地域への経済効果もあるという事。

チーズに関してはオールジャパンチーズコンテスト2022年で、近隣の味噌屋さんのこだわり味噌を使ったチェダーチーズのミソリーナで銅賞を獲得、2023年は竹炭シェーブルチーズのネロカプラがみごと金賞をとりました。 

【表現性】

サービスで心掛けたことは、わかりやすいがよく観察すると立体的、多面的な効果があるデザインです。深みがあるという表現があるように、よくよく見ると、その活動の効果が様々な分野に波及していること。

さまざまな利害関係人を作り出せること。地域の課題へのアプローチ、持続可能性かといったことなど、視点を変えると様々ものにも効果がある事業であること、他の地域のロールモデルとなり得る事業でなければならないとの思いで実践しました。

【情報伝達性】

運営側としては、チーズに関係してはカプレットのSNS,Unity0268 ShopのSNSでの発信、除草に関してはUnity 0268 ShopのSNSや新聞テレビ等のメディアでの取材記事、自治会の近隣住民へ回覧板での周知を行いました。

その他には、ヤギに触れられるので、ヤギとのツーショット写真や子供との写真を住民が自身のSNSで発信、特に家族や親しい関係者にLINEで送ってもらえたのは、運営側ではエックス、インスタグラム、フェイスブック以外には発信できないので効果はかなりあったと思います。

神社や学校、福祉施設等でも施設の除草後に、会報やSNS、メディア取材などにも、それぞれの事業所と地域の自治会との共同活動として取り上げていただき、関係者に周知してもらえたと思います。

オールジャパンチーズコンテストで、2022年は銅賞。2023年は金賞をとれたことは、全国のチーズ好き達にも大きな情報発信ができました。

【地域性】

この活動によって、あまりに大量すぎて放置せざるを得ないほどの草が地域資源となりました。

この厄介者の大量の草はヤギにとっての美味しい豊富な餌 = 地域資源として活かされています。その草を食べて育ったヤギの乳で作ったチーズが美味しいを提供することで、全国への発信、地域への来客といった形で、地域の魅力アップに貢献できています。

また、地域住民にとってもヤギが除草することで、きれいな地域を実現。それにより不法投棄もかなり少なくなり、公園や河川にも以前より人の姿が増えました。

さらに、チーズコンテストの際に銅賞を獲得したことで、お味噌屋さんのPRにもつながり、売上貢献できたと思います。

観光地の近隣の飲食店さんにも地元PR商品として、チーズを取引していただけるようになりました。

【継続発展性】

ヤギ除草に関しては、将来的には柵で囲った場所を作り、現在リードでつないである状態から放飼いに出来るように部分的にしたい。

これによって、ヤギの管理に対しての負担軽減が出来る。ヤギのストレスも軽減できる。自治会がリーダーとなり、高齢化と人口減少でも、地域を維持していける環境づくりのロールモデルとなってほしい。

年を追うごとに本事業への評価が高くなっているので、地域住民のファンをもっと増やせるよう継続していきたい。

チーズに関しては、地元のこだわり店舗としての地位を固め、飲食事業や商材を使ったお菓子等の開発などを行っていきたい。

商品を売るのではなく、地域の文化を売るようにしたい。
日本の大会で金賞を取ったので、次は世界大会にも挑戦していきたい。

分類

しあわせ信州部門

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