名称
KI-noシリーズ
事業者名
大澤建築店株式会社(松本市)
KI-noシリーズについて
KI-noは代表である大澤(大工棟梁)高力(杣人)渡邉(デザイナー)尾藤(ディレクター)によるプロジェクトです。
代表の大澤(大澤建築店株式会社)は京都の数寄屋建築家の中村外二の弟子であり、そこで学んだ日本建築の知識を、渡邊(大澤建築店株式会社)は渡英して学んだデザインを、高力(柳沢林業)は長年の杣人としての木の知識を、尾藤(irie 株式会社)は様々なブランドディレクションをしてきた知識、経験をプロジェクトに活かしています。
それぞれのプロが交わることでシナジー効果を生み出し的確な技術・方法・品質で合理的に設計・計画・販売・PR を行なうことが特徴です。
■ブランドコンセプト
ー地産材をメイン素材として使い “Beyond The Japanese Creation” をテーマ に In と Out、光と影を繋ぎ、杣人 ✕ デザイナー × 数寄屋棟梁が交わって生み出されるインテリアプロダクトブランドー杣人が守ってきた命を伐り、デザイナーが構想したプロダクトを、数寄屋棟梁の技術、知識によって新しい命を創造し、託す通常のインテリア、プロダクトに使われる木材だけでなく、KI-no ではデザイナー、職人が山を守る杣人と共に山に入り、普段見向きもされない木、動物に食べられた木、木材プロダクトとしては不向きな木材も素材として選定し新たな日本の美を持ったプロダクトに昇華させ、新たな木の価値の創造を目指しています。
ロンドンから松本市に帰ってきて、何か地元に貢献できる格好いいモノが作りたいと思ったことから始まりました。
海外に行ったことで、日本の木工職人や棟梁、杣人の持つ知識や技術が世界に通用するレベルであることに気付かされました。
そんな職人技の素晴らしさを世に知ってほしいという想いからブランドを立ち上げました。
ブランドコンセプトの “Beyond The Japanese Creation” もそこからきています。
私たちが営む大澤工務店は、長野県の伝統建築である数寄屋造りを主に手がけており、日本人が持つ「几帳面さ」と「わびさびの精神」が同居する世界観を〈KI-no〉のプロダクトとして表現しています。
地元に戻って、長野の山、日本の山が数々の問題を抱えていることを知りました。
猟師やマタギの減少などで進む鹿による被害や木の病です。
木材の自給率の低さも大きな問題です。国産の木材は、伐採コストや製材コストの兼ね合いで赤字になってしまうことも多く、まだまだ活かせずにいるのが現状です。
せっかく良い木材があるのに使用されることなく朽ちてしまい、山が荒れてしまうという勿体ない実態があります。
松本の山と木を知る私たちが、地元の職人技や新しい素材や技術を活かして、それを解決するモデルケースになれれば、という想いもあり、あえて地産木材を使用したプロダクト作りをはじめました。
市場価値が低く扱われてしまっている国産木材の価値を技術とアイデアをもって再構築していくことも私たちの使命です。
ブランドの 1st シーズンでは PINE WHITERED をテーマに選びました。
PINE WHITEREDとは、「松枯れ」という松の木の病気を意味します。
長野県内での山林で特に進行している深刻な問題です。
この多くの日本人が知らない山の問題を知ってほしい、関心を持ってほしいという想いで、この「松枯れ」をコレクションのテーマとしました。
ベースとしてかっこいいものを企画するのは当たり前でそれよりもプロダクトや素材のストーリーを大事にし、語れる商品を企画、生産することで他社の商品と差別化を図り、ブランド価値の維持、向上を図り、値段が高くても売れると思っています。
値段が高くても売れることで、一般流通している木材(海外材)ではなく地産材を使うことができ、地域の林業のイノベーションが図れると思っています。
分類
NAGANO GOOD DESIGN部門