

名称
SUWAプレミアム
事業者名
SUWAブランド推進委員会(諏訪市)
SUWAプレミアムについて
【プロフィール】
かつて「東洋のスイス」と呼ばれた諏訪地域は精密機械工業が盛んであり、繊細なものづくりの伝統が根付いています。
一方、多くの企業が中小のパーツメーカーであり、付加価値のある最終製品やビジネスまでに至っていませんでした。
また、優れた商品力を持っているもののデザイン性や情報発信に対し単独で対応することが難しく、その魅力を十分に伝えきれない逸品も存在していました。
こうした課題を解決すべく、平成 26 年度に官民連携の「SUWA ブランド推進委員会」が中核となり地域ブランド「SUWA プレミアム」が発足しました。
メンバーは売り手・作り手・デザイナー・公的機関等多様なメンバーで、魅力的な商品を地域ブランドとして認定し諏訪地域の技術力の PR を続けています。
【地域再生・活性化に寄与する製品、サービス】
諏訪地域の BtoB 向けのビジネスを展開している事業者の多くは、潜在的に最終製品を開発し自社のオリジナル商品として販売したい意欲を持っていますが、自社ブランドの商品を持つことは様々な障壁があり、熱意だけでは実現しないのが現状です。
当委員会では、ブランドの認定だけではなく、商品の企画開発、デザインのブラッシュアップ、販路開拓、情報発信といった機能があり、挑戦する事業者の後押しを通じた「地域再生・活性化」が強みとなっています。
実際に認定事業者の中には、自社製品の開発を通じて従業員のモチベーションを高めることに成功した例や、採用活動において挑戦意欲のある企業として PR が可能になり雇用に繋がったという事例もあります。
【志向性】
ブランドのコンセプトは「澄み切った繊細さ」です。
これは、「外部から諏訪地域を見たときにどんなイメージを持つか」を委員で考えた際、時計・カメラ・オルゴールなどの繊細な精密備品、東洋のスイスと呼ばれ豊富な水や山奥の澄んだ空気を連想することから付けられました。
そのほか、面白いモノを作るまちとして PR したい思いから、「オトナゴコロ、くすぐる」というキャッチコピーを作成しており、前述のコンセプトと併せて商品認定の尺度として活用しています。
「ブランド」の特長としては、域内事業者の連携や異業種の出会いを通じた商品づくりを促進したい思いから、対象を諏訪市内の事業者に限定せず、諏訪地域 6 市町村の事業者を対象にしている点も挙げられます。
【表現性】
諏訪市産業連携事業補助金(異なる産業間の連携を通じて、新商品開発を支援する補助金)を活用して、地域内外のデザイナーともマッチングし、商品開発、製品・パッケージのデザイン面のブラッシュアップに役立てています。
また令和 4 年度よりブランド認定事業者と長野県デザイン振興協会のデザイナーとの共同事業による商品開発ワークショップを実施しています。
加えて毎年、 SUWA ブランド・クリエイティブ交流会と呼ばれる、地域の作り手と地域内外のクリエイターやデザイナーとのマッチングイベントを開催しており、新たな商品・サービス創出の可能性の機会を提供しています。
このように当ブランドは製造事業者とデザイナーの連携、そして異・多業種との交流を重視して活動しています。
【情報伝達性】
顧客とのコミュニケーションについては、旗艦店である「SUWAガラスの里」においてブランド認定前の商品をテスト販売という形で得られた顧客からの反応を事業者へフィードバックし、マーケティング活動の支援をしています。
また、新たに認定された商品については、地元メディアを招いて記者会見を開催し、旗艦店にて展示販売を行い、対面販売による顧客からの感想・意見を役立てています。
情報発信については、ブランドの専用ホームページやSNS(Facebook、Instagram)等により、イベントや商品情報等の周知を積極的に行っています。
また EC サイトをリニューアルし、顧客の口コミを商品ページへ記載できるように改良もしました。
そのほか、出展イベントに事業者と共同で参加し、地域内外向けに広報活動を行っています。
【地域性】
地域資源である製造業の技術力を元にしたブランドの活動を通じて「前向きな」事業者や関係者といった「人材」が集まり、有機的に繋がる連携活動が展開されるようになりました。
その結果、単なる製品だけではなく、地域の魅力を伝えるものや観光誘客に寄与するプロジェクトが創出されています。
例えば、製造業と観光業という珍しい連携で、ホテルで扱うオリジナルのカトラリーを市内事業者で共同制作したケースがあり、多くのメディアの注目を浴びました。
それだけでなく、該当ホテルの備品にはブランド認定商品が多数扱われており、宿泊を通じたブランドの PR が可能となっています。近年では他県や外国からの視察・取材の機会にも恵まれ、ブランドを通した諏訪地域の情報発信にも役立っています。
【継続発展性】
個々の商品認定については一定の認定基準を設け、委員会にて各分野の視点から審査し、商品のブランド価値の維持ができるような体制で進めています。
ブランド全体の価値については、地域内外の展示会に出展する事やSNS等による情報発信、さらに商品が創り出された背景をまとめた動画を作成し、認知度向上に努めています。
また、今年度より首都圏 IT 企業と連携しSNSを通じたマーケティング戦略を実施しています。主な事業は「良質な口コミ」を獲得し、コアなファンに商品の良さをPRしていただく「アンバサダー施策」、そして、「ふるさと納税での販売強化」になります。
引き続き、個々の商品の販売増等を通じブランドの存在感や価値を高めていく取り組みを展開していく予定です。
分類
しあわせ信州部門