名称
信州ゆめクジラ農園
事業者名
信州ゆめクジラ農園(安曇野市)
プロフィール
「信州ゆめクジラ農園」は、安曇野市と松本市の農家で構成されるレストラン向けに特化した少量多品種野菜の生産者団体です。
私達の定義するデザインとは「農業者人口の高齢化」と「後継者不足による耕作放棄地の増加」を「信州が世界に誇る理想的な農業のカタチ」に転化し、世界的な問題を解決するための仕組みを指します。
近年ブームとなっている大規模な投資を伴う植物工場の設立ではなく、世界の貧困国でも容易に取り組めるこの仕組みは年代を超えた人と人の信頼関係によって成立します。
健康長寿・安心
- 食べる人の安心:それぞれのメンバーは、小さな畑で農薬や化学肥料を極力使わずに野菜を栽培します。少量の栽培であるから目が行き届き、丁寧な野菜栽培が可能になります。こうして愛情いっぱいに育てられた野菜は身体にやさしいものが出来上がります。
- 働く人の健康長寿:年齢や体力に見合った作業内容を、数十年過ごしてきた自分の畑でこなします。仲間たちとのコミュニケーションを大切にしながら作業し、栽培した野菜を確実に収入に変えられる仕組みはモチベーションアップにつながります。
志向性
私達の組織は生産者だけでなく、地元レストランシェフと野菜ソムリエが関わっています。
この組織構成により、料理人の要望を満たす提案が可能になります。希少価値が高く、他では手に入れるのが困難な野菜を供給することで、使う側は他店との差別化を図ることが可能になり、更にCSV(Creating Shared Value=社会問題を自社の強みに転化)に取り組むことができます。
つまり、私達の野菜をお使いいただくことが社会貢献につながり、世の中にとって必要な存在になります。
表現性
まずは生産体制を確立すること。私達の唱えるデザインとは、この「仕組み」を指します。そして、商品価値を決めるのは私達ではなく実需者であることから、5つ星ホテルやミシュランレストランをターゲットと捉えました。
ハイエンドな顧客と取引するにはベクトルを合わせる必要があるため、デザイナーと年間契約し、ブランド戦略を設計しました。
業界の上位から評価を受けることは後の事業領域を拡大する際にもハードルが下がると考えたからです。
情報伝達性
この事業を展開し始めた当初は、グルメサイトを見てターゲットとする飲食店にひたすら電話をかけました。
現在はfacebookやInstagramなどのSNSの他、ホームページも併用していますが、それでも30,000円/月以上の電話代は発生しています。
ECサイトも活用しています。過去に一度でも購入いただいた取引先には、しつこくならない程度に時折、メールで連絡するようにしています。
地域性
地域の高齢農業者や耕作放棄地は、地域の貴重な資源であると考えます。
一次産業は最も対価が低くなりがちですが、一次産業と三次産業が同一事業者として機能した場合、決してそうはなりません。
利益のコントロール幅を持つ三次産業者が本当の意味で一次産業に関わり、泥だらけ・汗まみれになることで、生産者と実需者双方にとって最適な価格設定が可能になります。
信州の高原気候は作物にとって非常に良い影響を与えます。
日本各地、世界各国にはこうした地域特性が多く存在し、私達がデザインと定義する仕組みは、世界中が抱えるこの問題を解決すると信じます。
継続発展性
外食産業は生存率が極めて低い業種ですが、私達の提案する野菜によって生存率が高まることを望みます。
そうなることで、生産者と実需者の双方がお互いの存在価値を高め合えます。
私達は現在、外食産業に特化した農業を選択しましたが、この仕組みは応用できます。
農業の中でも、無農薬へのこだわりであったり、漁業に関しても地域の特性を活かした生産方法があり、それを求める実需者がいるはずです。
海外展開も視野に入れた中で、一次産業を魅力ある職業にすることが私達の使命です。
分類
しあわせ信州部門