名称
すんき
事業者名
すんき産業プロジェクト会議
プロフィール
御嶽山麓では冬期には氷点下20度まで気温が下がり、約5か月もの間、雪に覆われます。
昔から食べ物を確保するには容易ではありませんでした。
長い冬の間の食料を発酵させる知恵はその一つ。すんきは赤かぶの葉っぱを、塩を一切使わないで発酵させた漬け物です。
「米を貸しても塩貸すな」と昔から言われてきたほど、海から遠い木曽では塩が貴重なものでした。
すんきは、冬期の貴重な野菜を塩を使わずに作る画期的な発酵食品として各家庭で漬けられていたものです。
その歴史は古く元録元年(1688年)頃、俳人松尾芭蕉門下の句会において、芭蕉と弟子の凡兆が詠んだ連句の中に「木曽の酢茎(すぐき)に春もくれつつ」という一句がみられ、この酢茎が訛って「すんき」となったと考えられており、木曽地方で300年以上前から作られています。
健康長寿・安心
すんきは塩を一切使っておらず、複数の乳酸菌の力だけで発酵させたものです。
すんき1gあるいは漬け汁1ccの中には数億もの乳酸菌が生息していて、ヨーグルトにも匹敵します。
効能については表記ができませんが、すんき由来乳酸菌は多種多様で以下の効果が期待されています。
- 抗アレルギー活性(Th1/Th2バランス改善)
- IgA抗体産生促進(感染症の予防)
- ピロリ菌の生育抑制(胃がんのリスクを軽減)
- 抗変異原活性(発がん物質の除去)
志向性
木曽地方に昔から伝わる在来種の赤かぶの葉が原料で、無塩と食物繊維の優れた健康効果や植物性乳酸菌の有効性が注目されています。
色はべっ甲色で、乳酸由来の酸味が特徴です。
表現性
木曽御嶽をはじめ神秘的な山々に抱かれた木曽の地で、厳しくも豊かな自然の恵みにより生み出され、歴史の営みと人々の知恵が育んだ木曽町の“ほんもの”の中から認証基準の審査を経た産品を「木曽町ブランド」として認証しています。
2011年(平成23年)1月、すんきは木曽町ブランド認証の第1号産品となり、2017年(平成29年)5月26日に地理的表示(GI)に登録されています。
情報伝達性
2016年(平成28年)より、生産量の拡大と販売額の増加やすんきを核とした雇用と交流人口の増加を図るため、町内関係機関を集めプロジェクト会議を立ち上げました。
- すんきのブランド力を強化するため、すんきの分析業務を行っています。
- 安定的に生産量を増やすために、かぶ菜の増産・すんきの生産体制・販路拡大が重要なカギとなることから、マーケティング調査を実施し商品価値の整理や適正価格を受容できる先のネットワークの確保を行っています。
- 食べ方や魅力が分かるリーフレットの作成や健康志向の高い商品を扱う量販店や社食などに商品の魅力を伝えながら販路拡大を進めています。
地域性
冬期に木曽を訪れたお客様にすんきを食べていただけるよう、木曽町商工会が中心となり、すんき祭り「すんき de 元気フェア」を毎年開催しています。
開催期間中に協賛店の飲食店等でオリジナルのすんき料理が提供されます。
継続発展性
地理的表示(GI)の申請者である「すんきブランド推進協議会」では、すんきの製法や品質管理を守るため、生産業者に対し生産工程管理票を作成させ、シーズン中に現地調査と品質品評会を開催しています。
今後、6次産業化の推進とすんき販売額1億円を目標に取組んでいきます。
分類
しあわせ信州部門