2019NAGANO GOOD DESIGN部門大賞「hyakushiki」

名称

hyakushiki

事業者名

有限会社 丸嘉小坂漆器店(塩尻市)

プロフィール

丸嘉小坂漆器店は1945年創業の木曽漆器製造工房です。

弊社では1994年に2代目の小坂康人と長野県工業試験場(現長野県工業技術総合センター)の共同により、ガラスに漆を定着させる技術を開発し、漆塗りガラス器の製造・販売をスタートさせました。

それから約20年、3代目の小坂玲央が、より魅力的で使いやすい漆塗りガラス器のブランド、「hyakushiki」を立ち上げました。

一般的な漆器は、木製で全面に漆を塗っているため、金属のスプーンやフォークが使えません。

そのため、伝統的な漆器は、木製の箸や匙を使う和食シーンでしか利用されてきませんでした。

これは現代日本の食文化にはマッチせず、ましてや海外では尚更利用は困難です。

そこで、hyakushikiブランドでは、硝子を素地に利用することで金属のスプーンやフォークが使え、洋食シーンでも使用できるプレートやボウルを開発し、漆器に新たな価値を加えました。
(漆器を使いづらい高級品ではなく、美しく、さらに使える器に進化させました。)

hyakushiki製品は金属のカトラリーが利用できることで多様化する現代日本の食文化に対応し、海外(欧米)の需要にも応えられる“漆器”です。

また、海外の乾燥した環境下でも問題なく利用でき(木製漆器は乾燥による割れが起こる可能性がある)、漆器としての機能を高めています。

hyakushikiブランドの製品は機能性だけではなく、複数名の外部デザイナーの協力により、丸嘉小坂漆器店の技術をより魅力的に表現できる商品開発をしております。

漆と硝子を組み合わせることで、木製の漆器や硝子器には見られない独特な魅力を生み出しています。

漆の華やかさと落ち着きを兼ね備えた艶に透き通る硝子が融合すると、まるで万華鏡をのぞいた時のような感動を覚えます。

また、繊細な漆の絵付けがガラスと共存することで、今までにない新しい魅力を放ちます。
hyakushikiブランドの多くの製品は、女性職人の手によって作られます。

男性社会の漆器業界に新風を吹き込む女性職人の仕事が、多くの女性ユーザーと共鳴することで、ブランドを広めてくれています。

近年では、海外の主要な展示会(MAISON&OBJETなど)に参加しており、世界8カ国(フランス・イタリア・イギリス・オランダ・アメリカ・シンガポール・台湾・中国)に輸出を行っています。三ツ星レストランやオーベルジュ、インテリアショップを中心に利用いただいています。

欧米では“漆器”の需要は少なく、まだまだ認知されていません。

hyakushikiブランドは、世界に日本の代表的な文化である“漆器”を、そして“木曽漆器”を広めるため、歩み始めています。

分類

NAGANO GOOD DESIGN部門

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